火葬の日、空に虹が出ました|後期流産で娘を見送った日のこと

流産体験

※この記事には、流産・死産に関する体験談が含まれています。読むタイミングは、ご自身の心の状態に合わせてください。

一晩、娘と同じ部屋で過ごした

娘を出産した翌日、私たちは火葬の準備を進めていました。

生まれたあと、病院の配慮で娘とは一晩同室で過ごすことができました。小さな身体で静かに眠っている姿を、何度も見つめていました。

歌を歌ってあげたくて、何度も歌おうとするのに——悲しみで声にならず、涙だけが溢れました。

本当はもう少し一緒にいたい。
でも、娘がきれいな姿のうちに送り出してあげたい。
その思いから、その日の午後に火葬の予約を取ることにしました。


「小さいサイズをお探しですか?」

上の子はまだ1歳で状況がわからない年齢だったため、県外から急遽来てくれた義母が家で見てくれていました。

夫は朝一番に役場へ行き、届出と火葬場の予約をしてくれました。小さな自治体ということもあり、こうしたケースは多くないようで、調整に少し時間がかかったと聞きました。

私はその間、仏具屋さんへ電話をしました。何をどう聞けばいいのかもわからず、慣れないやりとりをしていると、電話口の方が優しい声でこう聞いてくれました。

「……小さいサイズをお探しですか?」

その一言で、胸がいっぱいになりました。

娘のために必要なものは、すべて「小さいもの」でした。


夫が買ってきた、女の子用のもの

娘は小さな箱に入れてもらい、お花や一緒に持たせたいものを入れることができると聞きました。

夫と相談すると、夫が帽子とお包み、それからお菓子を買ってきてくれました。どれも、女の子用のものでした。

きっと急なことで、夫もとてもつらかったと思います。本当なら、生まれてくる娘のために二人で並んで楽しみながら選びたかったものばかりでした。

病院を出たあと、仏具屋さんへ寄り、夫婦で骨壷を選びました。小さなピンク柄の骨壷に決めました。


息子が、小さく手を振った

家を出る前、息子に娘の箱を見せながら話しかけました。

「妹だよ。バイバイできる?」

息子はまだ状況がわからない年齢でしたが、娘の眠っている箱を指差しながら、小さく手を振ってくれました。

その姿を見たとき、胸が締め付けられるような気持ちになりました。息子には、きっと優しいお兄ちゃんになってほしかった。そんな未来もあったはずでした。


泣きながら、火葬場へ向かった

火葬場へ向かう車の中で、夫と静かに話していました。「娘と離れるのが悲しいね」——そんな言葉を交わすうちに、もし生きていたらどんなふうに成長していたのだろう、どんな性格だったのだろう、という話になりました。

妊娠していた時間と同時に、娘との未来をすべて失ってしまったような気がして、二人で声を上げて泣きながら、火葬場へ向かいました。


火葬の日、空に虹が出た

火葬場は小さな施設で、待合室が別の建物にありました。火葬までの時間は車で少しドライブをしながら待つことにしました。

そして火葬場へ戻るために駐車場から歩いていたとき——空に虹が見えました。

その日は雨も降っておらず、不思議な光景でした。夫と「偶然だね」と話しながら、写真を撮りました。


収骨のとき、私たちの周りを漂っていたもの

収骨の時間になり、娘の骨を拾っていたときのことです。

夫がふと何かに気づいたように、私の方を見ました。言葉にはしませんでしたが、視線の先を見ると——私たちの周りを、白い綿のようなものがふわふわと漂っていました。

空中に浮かんではゆっくり沈み、またふわっと上がるような、不思議な動きでした。

その瞬間、なぜか二人とも同じことを感じました。

もしかしたら、娘が近くにいるのかもしれない。

悲しいはずの場所なのに、少しだけ温かい気持ちになったのを覚えています。


虹は、消えていた

収骨が終わり、火葬場をあとにして車に向かうとき、空を見ると——さっきまであった虹は、消えていました。

まるで最後にお別れを伝えに来てくれたかのように感じました。

火葬場を出たあと、ふと頭に浮かんだのは嵐の「マイガール」という曲でした。


それでも、娘は確かに生きていた

大切な大切な娘との別れは、きっとこれからの人生の中でも一番つらい出来事になると思います。数日の間は、急に涙が出てしまう瞬間もありました。

それでも、上の子の世話があり、夫が一週間休みを取ってくれ、義母も二週間そばにいてくれました。そのおかげで、少しずつ泣く時間は減っていきました。

今でも娘のことは毎日思い出します。戸籍の上では存在していないかもしれません。それでも、私たちにとって娘は確かに生きていました。短い時間だったけれど、大切な家族でした。


虹を見ると、写真を撮るようになった

あの日から、虹を見ると夫と写真を撮るようになりました。

「娘が近くに来てくれているのかもね」

そんなふうに話しながら、空を見上げます。あの日見た虹を思い出すたびに、娘のことを思い出します。

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