※この記事には、流産・死産に関する体験談が含まれています。読むタイミングは、ご自身の心の状態に合わせてください。
はじめに
私は妊娠21週1日で、子宮頸管無力症による後期流産を経験しました。
当日は突然の出血から始まり、大学病院へ転院。妊娠継続のために緊急子宮頸管縫縮術(シロッカー手術)を試みました。しかし結果として、手術を行うことはできませんでした。
この記事では、なぜ緊急シロッカー手術ができなかったのか、そして子宮頸管無力症の進行がいかに速いかを、私の体験をもとに書いています。
同じような状況で不安を感じている方の、少しでも参考になればと思います。
異変は突然の出血から始まった
その日は妊娠21週1日でした。それまでお腹の張りや痛みなど、自覚症状は何もありませんでした。
今思い返すと、20週頃に軽い生理痛のような違和感が1〜2回あった程度。それ以外は本当に普段通りで、子宮頸管無力症を疑うような症状は全くありませんでした。
午前11時頃、トイレに行った際に茶色い出血に気づきました。量はおりものシート1枚が全体的に染まる程度で、気づいたときにはすでに止まっていました。腹痛もなく、体調も変わりなかったので、「念のため」という気持ちでクリニックを受診することにしました。
クリニックで言われた「胎胞が見えている」
クリニックを受診したのは11時半頃。内診の際、医師からこう言われました。
「胎胞が見えています」
突然のことで、状況をすぐに理解することができませんでした。それでも妊娠継続の可能性を考え、大学病院へ転院することになりました。
大学病院での説明
大学病院に到着したのは13時半頃。再度内診を行った後、医師からこう説明されました。
「この時期に出産が進んでしまう原因としては、感染症か子宮頸管無力症の可能性があります。今日の時点ではどちらかははっきり分かりません」
「子宮頸管を縛らなければ、このまま出産になる可能性が高い状態です」
妊娠継続を希望する場合は緊急子宮頸管縫縮術(シロッカー手術)を試みることができるとのことでしたが、同時にこうも告げられました。
- 手術中に破水する可能性がある
- 成功する確率はかなり厳しい
それでも、少しでも可能性があるなら——私たちは手術をお願いすることにしました。
予定30分の手術が2時間半続いた理由
手術は局所麻酔で行われ、医師4人ほどが対応してくれました。本来は30分程度の予定でしたが、実際には2時間半続きました。
医師たちはどうにか縛れる場所がないか、何度も内診台の角度を調整しながら試みてくれていました。頭側が下になるよう台を傾け、胎胞が少しでも戻らないか試したり、羊水を抜いて胎胞を子宮の中へ戻す処置も行われました。
それでも、状況は厳しいままでした。医師たちは最後まで、諦めずに粘り強く試みてくれていました。
手術ができなかった理由
手術の終わりに、医師が私に声をかけました。
「この画面、見えますか?」
モニターをこちら側に向けてくれました。そこには、大きく開いた子宮口と、その奥に見える胎胞の映像が映っていました。
「どうにか縛れる箇所がないか頑張ってみましたが、縛れるところがありませんでした。申し訳ありませんが、手術は中止になります」
そのとき、医師は涙を浮かべていました。
先生の誠実な言葉と、画面で現実を自分の目で見たことで——私も夫も「もう十分頑張った」と感じることができました。先生方も、私たちも、そして赤ちゃんも。できることは全てやったと思えた瞬間でした。
子宮頸管無力症は数時間で進行することがある
振り返ると、状況は驚くほど短時間で進行していました。
| 11:00 | 出血に気づく |
| 11:30 | クリニック受診 |
| 13:30 | 大学病院受診 |
| 19:30 | 手術開始 |
| 22:00 | 陣痛開始 |
| 翌1:30 | 出産 |
わずか半日ほどの間に、すべてが進んでいきました。医師からも「子宮頸管無力症は数時間で急激に進行することがあります」と説明を受けました。
直前の健診では異常はなかった
実は、直前の妊婦健診では子宮頸管の長さについても特に指摘はなく、私自身もリスクを感じていませんでした。
早産のリスクを考えるとしても、漠然と「30週以降の切迫早産」を想像する程度で、安定期の21週で出産に進む可能性は、まったく考えていませんでした。
私が伝えたいこと
今回の経験で、強く感じたことがあります。それは——
出血の量が少なくても、必ず受診してほしいということです。
私の場合も出血はおりものシート1枚程度で、気づいたときにはすでに止まっていました。それでも受診したとき、すでに胎胞が見えている状態でした。
子宮頸管無力症は、自覚症状がほとんどないまま急速に進行することがあります。「これくらい大丈夫かもしれない」と思わず、少しでも異変を感じたら、迷わず医療機関に相談してください。
子宮頸管無力症で緊急シロッカーができないケース
子宮頸管無力症では、妊娠継続のために子宮頸管縫縮術(シロッカー手術)が行われることがあります。しかし、すべてのケースで手術ができるわけではありません。
緊急手術が難しい状況として、以下のようなケースがあります。
- 子宮口が大きく開いている
- 胎胞が外に出てきている
- 縛るための頸管の長さが残っていない
- 出血や感染の疑いがある
私の場合も、すでに子宮口が大きく開いており、縫うための頸管が残っていない状態でした。医師が2時間半にわたって試み続けてくれましたが、手術を行うことはできませんでした。
次の妊娠について
医師からは、次の妊娠では妊娠13週頃に予防的子宮頸管縫縮術(シロッカー手術またはマクドナルド手術)を行う必要があると説明を受けました。
仕事についても、デスクワークは一部可能ながら、立ち仕事は休職を検討するよう言われ、慎重に経過を見ていく必要があるとのことでした。
すぐに前向きにはなれませんでした。それでも、「次の妊娠に向けた道がある」という事実は、少しだけ心の支えになっています。


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